導入事例
- 生産管理システム
類例のない業務フローを、パレットCMSで一元管理。信頼のおけるパートナーとして、システムのアップデートを続けています

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- 数百アイテム×20工程を紙で管理していた
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- パレットCMSで生産管理システムを構築
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- 紙管理をDX。棚卸し簡便化やミス軽減のメリットも
琵琶湖を臨む滋賀の山地で、有機野菜の発酵エキスを製造する株式会社リスペクト。2025年3月、社内用の生産管理システムをパレットCMSでリリースし、従来の紙管理から脱却されました。システム導入の経緯や現在の運用、今後の展望について、管理部門を統括する平尾さまにお話を聞きました。(取材:2025年6月)
生産管理システムの導入までは、どんな課題がありましたか?
リスペクトでは、50種以上の野菜をブレンドして発酵させてエキスを抽出、健康食品や美容食品を生産しています。仕入れから出荷までは短くて2年、長くて4年。野菜の漬け込み、抽出、発酵、飲料への加工など、工程は約20。製品の卸し先は100社以上です。
全製造工程で記録をつける必要があり、従来は各現場で紙にメモ書き、まとめてエクセルに入力し、プリントアウトをファイリングしていました。とにかく工程と製品数が多いため、年に一度ある有機食品の検査認証も大変。年々受注が増えていることもあり、DXは急務でした。

パレットCMS導入の決め手を教えてください
最初は、総務関係のDX相談でした。地元の銀行から、滋賀県のIT企業リーフワークスを紹介いただいたんです。外部勤怠システムやコミュニケーションツールの導入を進めるなかで、懸案中だった生産管理システムについても相談。パレットCMSならスムーズに実現できるということで、お願いしました。
私たちは、システム完成がゴールではないと考えていたんです。使っていくうちに改良を重ねて、どんどん使い勝手を良くしていかなくちゃいけない。長いお付き合いになると考えたときに、信頼関係を構築できる会社に依頼したいという思いがありました。

リリースまでの過程はどうでしたか?
相談するなかで初めて知ったのですが、私たちの業務って、同様の例がほとんどないそうです。それを言葉で伝えて、システムに落とし込むというのがすごく難しい。2024年2月頃の正式発注以降、週に一度の定期ミーティングとチャットでパレットCMSの担当者に要望を伝えて、イチから形にしてもらいました。
2024年7月にβ版を納品いただきましたが、検討できていなかったのが工場内の管理体制について。メイン工場2拠点内に、それぞれ複数の部屋があります。どの工場に置いてあるかまでの管理に留まり、部屋の概念を作れていなかった。追加の開発が必要ということで迷いましたが、後の管理を考慮すると絶対あった方がいいので、パレットCMSの担当者と密に相談して進めました。ほかにも細かな調整や社内での整備を進め、2025年3月にリリースしました。
リリース後について聞かせてください
進行中のデータは入れてもらいましたが、最長4年かかる製品なので、まだ紙が一部残ってはいるんです。完全になくなるまで、あと2年はかかりそう。
システム導入の成果が目に見えてはっきりしたのは、先日行った棚卸しでした。追加開発した保管場所の概念で工場内の情報が一目瞭然になり、驚くほど楽になったんです。
また、入力ミスで在庫管理がうまくいかないケースがあるということも明らかになりました。紙管理の時代も記入ミスはあったんですが、紙とエクセルなのでぱぱっと修正できてしまったんです。属人性も高かった。それがシステム化されたことで「ここで入力ミスをしたから、在庫の管理がうまくいかなかった」ということが分かりやすくなり、当人も周りも気づきやすい環境になりました。
ここ数年、ありがたいことに受注が増えていて。月数点の取引だった会社から、数十・数百の受注をいただいたりもするんです。数点では何かあってもリカバリーできたけど、数百ではそうもいかない。そういった意味でも、このタイミングでシステム化できて本当に良かったです。

今後の展望について教えてください
実際に現場の担当者が触ることで、様々な要望が出てくるようになりました。「こういうふうに検索したい」とか「この部分もシステム化したい」とか。今はフェーズ3として、さらなる拡張・改善に向け、パレットCMSの担当者と打ち合わせをしています。
リスペクトは離職率の低い会社です。それ自体はとてもいいことなのですが、人の入れ替わりが少ない分、新しいものを取り入れるとか、そういったところが弱かったんです。
今回は生産管理システムを筆頭としたDXサポートと、パレットCMSとは別でコーポレートサイトも制作いただいているので、若い人の採用を積極的に進めていこうとしています。
今、新しいビジネスのお話をいただいたりと、会社の世界がどんどん広がっています。生産管理システムを別事業に部分流用するなど、できることがまだまだあると思っていて。引き続き、よろしくお願いします。

生産管理システム
リスペクトの看板商品、植物発酵エキスの製造工程を管理するシステム。500以上の取引先から原料となる野菜・果物を仕入れ、漬け込み・抽出・発酵など約20の工程を経て100以上のブランドに納品するまでの過程をすべて記録。現場ではタブレットで操作している。
Palette CMS サポートチームより
リスペクト様にとって初の基幹システムということで、業務スタイルが大きく変わってしまうことは必然でした。実業務とのズレを生まないよう、ヒアリングを重ねて慎重に進めました。
業務の全貌を確認する過程で膨大なデータ量のエクセルを共有され、驚いたことを覚えています。たくさん質問させていただきましたが、社内で相談・確認いただき迅速に回答くださったため、スムーズな構築が実現できました。
実運用に入り、様々なご要望をいただいています。より良いサービスにできるよう、こちらからも積極的に提案していければ。これからもよろしくお願いします!

株式会社リスペクト
2005年創業。滋賀と鹿児島(種子島)の工場で、健康食品の加工製造を行う。「発酵」を軸に、自然の恵みが詰まった有機野菜の魅力に正面から向き合い、日本から世界へ羽ばたこうとする注目の企業。